理事長所信

所信

2025年度 理事長 木村 正

【はじめに】
2024年、川崎市は市制100周年を迎え、新たな歴史を紡いでいます。5万人から始まった人口も155万人を超え、当時の文化と昨今の文化が大きく違うように、74年目を迎える川崎青年会議所において、地域社会における役割も変化しています。先人たちは、自然災害や経済危機。そして直近は感染症と、あらゆる危機に直面しながらもそれらの困難に立ち向かってきました。迅速にそして正確に、社会課題に対してのアプローチをしなければ、数多くある地域コミュニティの中に埋没してしまい、この川崎青年会議所の存在意義が薄れていきます。
2025年は新しい100年を創る、輝かしい1年目と捉え、地域社会にとって有益で大きなインパクトを残し、地域住民の方、またこの地で働いている方には、この街を好きになってもらい、さらには取り組んでいる現役会員においても、この地域と組織をより好きになってもらえるような1年にしたいと考えます。

【会員拡大】
青年会議所の魅力の一つとして「20歳から40歳までの青年で構成する。」という時限ルールがあります。それが組織に新陳代謝を生み、その時代の世相を敏感に捕らえ、タイムリーな事業を構築することができます。有限な時間だからこそ集中して打ち込める事もあります。同世代だからこそ、お互いに膝を付け合わせ、外では話すことができない仕事やプライベートの悩みを共有できることもありました。
コロナ禍で対外的な事業が行えずに会員数が減った時期もありましたが、近年卒業生よりも多くの新入会員を迎えることができ、2024年度は会員数100名を超えることを目標に掲げています。しかし、川崎市の人口155万人と会員数を比較した際、物足りなさは否めません。かつては200名を超える会員数を誇ってたので、更なる会員獲得は不可能ではないと考えます。
私自身、この団体に所属し多くの方に出会い、学び、楽しく活動させていただきまして、今があると思っています。青年会議所で出会わなければ、軽く通り過ぎた方も、この団体の仲間だからこそ、成長につながる出会いになれました。これからも一人でも多くの仲間とこれからも繋がり、会員拡大を図ってまいります。

【まちづくり】
川崎市は1924年に川崎町、大師町、御幸町が合併し、市制が施行され2024年で市制100周年を迎えました。戦後、高度経済成長期を支えた工業発展は大気汚染の原因となり、公害問題を引き起こしました。また川崎市民以外のイメージ調査でも「治安が悪い。」「風紀が乱れている。」などのネガティブなイメージを持っている割合が高くなっています。私自身、川崎で生まれ、川崎で育ち、そして川崎で経済活動を行っていますが、肌感覚では大きな相違があると言えます。2024年川崎市では川崎区富士見周辺地区整備事業や等々力緑地再編整備等を計画し、全国都市緑化かわさきフェアを実施し、サッカー、バスケットボール、卓球、バレーボール、アメリカンフットボールなどの企業チームも多く存在する「スポーツのまち・かわさき」と銘打ち、また川崎市のフランチャイズオーケストラである東京交響楽団がミューザかわさきシンフォニーホールで演奏活動を行い、音楽大学、多くの市民合唱団が活動を行う「音楽のまち・かわさき」と心の福祉となる、文化的効果の高い発信を継続しています。
この様に近年行政は市民、民間企業、諸団体とともに住み暮らす人々にとって、より良いまちになる様努力を重ねてきました。川崎青年会議所も昨年から謎解きイベントや花火、スカイランタン打ち上げの事業では大きな反響を呼びました。かつて川崎市にあったネガティブなイメージを払拭するインパクトのある事業を、2025年もこれまで以上に多くの人を巻き込み展開して参ります。

【青少年育成】
川崎のこれからの100年を支える人材は間違いなく川崎で生まれ育ち、川崎で住み暮らす青少年の方々です。私自身も幼少期この地域で生まれ育ち、地域の盆踊り大会、祭礼、川崎市民祭り、少年野球大会に参加し、多くの同世代の友人や、大人の方々と交流を通じて成長させて頂きました。その当時はただ参加して楽しい思いをさせて頂く立場でしたが、その裏では多くの大人の方々が企画立案をし、多くの方の時間と想いの上で成り立っている事は考えるに及びませんでした。今度は恩返しをする番だと思っています。
多くの青少年の方々が、社会問題に対して当事者意識を持ち、次世代を担う人財になれるような、「気づき」を与えられるような機会を提供します。川崎青年会議所には長い歴史を持ち、継続的に開催している「わんぱく相撲」があります。相撲道の「道」には、古来日本からの教えを指しています。この機会を通じて青少年の方たちが相手を思いやる心を養うきっかけを与えてあげられるようにします。
また青少年世代を支える親世代にも住みやすい、働きやすい、子育てがしやすい街とはどのようなもので、その実現のために必要なことを共に模索し、働きかけて行きたいと考えます。
川崎青年会議所には20代から40歳の会社員、個人事業主、会社経営者など多種多様な分野で活躍する人財が揃っています。社会的には、働き盛り、子育て世代と言われる年齢です。だからこそ、青少年が育ちやすい環境を作りだす最も責任がある地域コミュニティだと自覚し、行動して参ります。

【組織強化】
川崎青年会議所は創立以来、長い歴史を連綿と受け継ぎ、今日に至っています。長い歴史があるからこそ、普段お会いできない地域の有権者の方や行政の方々からも一目置かれています。その責任を自覚し、今までの歴史を守ることは勿論ですが、そこに傾倒するだけでは、この目まぐるしく変化する社会から取り残されてしまいます。ビジネスの世界では対面での会議が、コロナ禍で廃止され、リモートでの会議が主流になるなど、数年前の常識が時代遅れとされます。そしてわれわれ青年会議所メンバーは20代から40歳までと、生産年齢で言うと最も若い世代です。新しい時代の流れをいち早くキャッチし、新たな歴史を創る世代です。例会、事業、理事会、総会の運営、基本規則である定款、個人情報の取り扱いを現代に合わせたものにする必要があります。
そして、組織を形作るのは「人」です。人の成長無くして組織の強化はあらずと考え、2025年度は研修に力を入れます。一青年経済人としての立ち振る舞い、人との関わり合い方、外の青年会議所との交流、青年会議所の議案作成についての研修等を定期的に行い、外の良さは積極的に取り入れ、内部の現在の立ち位置を正しく理解し組織強化を図ります。
また効率性や、生産性を求めつつ、今まで歴史を紡いできてくださった先輩たちに尊敬の念を忘れずに、次世代のメンバーに継承する使命感をもって活動します。川崎青年会議所には先に述べたわんぱく相撲の他に、川崎大師御供茶式とお茶会、多摩川ラブリバー活動、ミニモンスターバッシュなど継続している事業が幾つか存在しています。その歴史と価値を正しく理解する研修を持つことで、よりよい運動と地域社会において存在感を発揮できると考えます。
一人ひとりのレベルアップがシナジーを創り出し、組織全体の底上げに貢献できる人財を育成いたします。

【結び】
私がこの川崎青年会議所に入ったきっかけは、ある先輩と出会えたことでした。それまで様々な地域コミュニティに所属し、活動をしてきた経験から、他の団体との差は何かと聞かれたら、私は「人」と即答します。青年会議所の運動にはついて行けなかったとしても人にはついて行きました。数多くの尊敬すべき先輩や、共に大きく笑いあえる仲間たちと出会えたのもこの、川崎青年会議所というプラットフォームがあったからです。その受けた恩をお返しする機会だと思っています。
会員拡大、会員研修、まちづくり、青少年育成、内部改革等、やるべき事が山積しておりますが、私も現役として最後の年に理事長の大役を仰せつかります。自分の経験や見識を余すことなくこの組織と人に向ける所存です。川崎青年会議所の現役メンバーの一人ひとりが個性、能力を存分に発揮し、地域社会をけん引するリーダーの一員としての自覚を持ち、そして楽しく、青年会議所の活動、運動ができるようにサポートします。
そして新しい川崎の100年を創る、大事な1年になることを自覚し、行動して参ります。
多くの背中を押してくれた仲間たちからの期待を背負い、そして責任を持ち、1年間かけぬけて行きたいと存じます。
2025年、どうぞよろしくお願い致します。

2024年度スローガン

基本理念

基本方針